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【生命科学コース】ヒト線維肉腫(がん)細胞に対する高濃度ビタミンCの効果とそのメカニズムの一部を解明(齋藤教授)

印刷用ページを表示する 2026年1月30日更新

​生命科学コース、細胞機能制御学研究室(齋藤教授)のがんに関する研究成果がBiochimica et Biophysica Acta (BBA)- General Subjectsに掲載されました。

【発表論文】

タイトル: High-dose ascorbic acid prolongs the suppression of cell proliferation by enhancing intracellular oxidative stress–induced damage and inhibits invasion and adhesion in human fibrosarcoma HT-1080 cells

日本語訳:高濃度アスコルビン酸はヒト線維肉腫HT-1080細胞に対し、細胞内酸化ストレスによるダメージを増強することで細胞増殖の抑制を延長するとともにその浸潤と接着を抑制する

掲載雑誌名: Biochimica et Biophysica Acta - General Subjects, 2026, 1870(4):130908.

著者: Yasukazu Saitoh; Yusuke Tanimura; Shun Ueda; Tomoya Furuhata; Manato Takeda; Kouichi Okawachi; Yusuke Fukukita

【解説】

 細胞機能制御学研究室(齋藤)では、副作用の少ない抗がんアプローチを目指す一環として、正常細胞には影響が少なく、がん細胞に対して有効な手法の探索(抗がん剤等の副作用低減を目指した研究)に挑戦し続けています。今回の論文では、2025年の研究成果と同様に高濃度ビタミンC (*)に着目し、希少がんの一つである線維肉腫由来の細胞に対する効果について報告しています。具体的には、高濃度ビタミンCが線維肉腫細胞HT-1080に対して酸化ストレスの発生を起点とした持続的な増殖抑制効果を発揮すると共に、がん細胞の浸潤や基質への接着を阻害することなどを明らかにしました。培養細胞を用いた基礎レベルの研究成果とはなりますが、こういった地道な研究の積み重ねが、将来、治療の難しいがんの進展抑制や治療の後押しにつながっていくことを期待しています。

 本論文には研究に貢献した細胞機能制御学研究室の博士課程前期修了生および学部卒業生5名(谷村さん、上田さん、古畑さん、大河内さん、福喜多さん)も共著者として名を連ねています。また、本研究の一部はJSPS科研費20K11627, 23K10922の助成を受けて実施されたものです。

*今回の論文ではアスコルビン酸、正確には還元型ビタミンC(L-ascorbic acid)を指しています。​

 

HT

論文の概要(グラフィカルアブストラクト:図解)​

詳しくご覧になりたい方は論文サイトへアクセスして下さい。

 

DNA

高濃度ビタミンCによりDNA傷害を受けたがん細胞(白矢印)

青色が核、水色がDNA傷害部分を示す(DAPI/γH2AX染色)